釣り隊!

釣り隊行本隊員の
釣果日記(その1)

娘よ、待っていろ!パパが世界一おいしい◯◯◯を食べさせてあげる…

みなさまこんにちは! TALEX釣り隊隊員の行本です。
私の今回の神戸行きの目的は明確です。前回のコラムを読んでくれたある人から、こう言われたのです。
「今度は娘さんにパパのブリ大根は世界一!と言ってもらいたいね」と。
たしかに神戸沖堤防はブリやサワラの青物も釣れる… と書いたから、適当に思いついた料理を言ったのでしょう(笑)。

しかも、私がこれまでに食べたブリ大根は、どれもパサパサしていてあまり美味しくなく、正直好きではありませんでした。
それに、そもそも子供が好きな料理か?
でも、娘がブリ大根をほおばっている姿を想像すると、もう、そんなことはどうでもよくなってしまうのです。今回はどうしてもブリを釣りたい!

釣行日は5月26日。私が先月メジロを釣り上げた神戸沖堤防では、連日ブリの釣果が上がっており、早く釣りに行きたくてうずうずしていました。釣れているときに釣れる場所に行く。それが鉄則だと思っています。
とはいえ、誰もいない広大なフィールドで、優雅に釣りを楽しみたいのが本音です。

いつも通り仕事を終えてから疲れた身体にムチを打ち、23時44分発の終電で神戸方面へ向かいます。

今回お世話になったのは、阪神西灘駅から南へ徒歩約10分の場所にある松村渡船様。
渡船場に到着したのは午前0時45分。出船時刻は早朝2時30分なので一番乗りかと思いきや、駐車場入口にずらりと並ぶ車の行列。その数50台以上。そうです。釣り人が考えるのは同じ、連日のブリの釣果を見て来られた釣り人です。
一度に乗船できる定員数は47名。各車1名ずつとは限らないため、この時点で行列の後者の方は一番船に乗れないことが確定しています。

皆様車の中で待機されているので、私はとりあえず船の横に荷物をおろして待つことに。しばらくして船に明かりが灯り、中から船長が出てこられました。
「おはようございます! お車ですか? 徒歩ですか?」
徒歩で来たことを伝えると、
「徒歩と自転車、バイクの方は優遇しますので、一番先頭でお待ちください。」
電車できた甲斐がありました! 車がないので終電で来るしか手段がありませんが(笑)

時刻は午前1時30分。私以外にも優遇され並ばれた方が5人おられ、受付が始まりました。

この日一番船で渡れる堤防は2箇所。ポートアイランド沖堤防と、ミニ波戸。通称ポーアイ沖は、ポートアイランドの南東から東へ伸びる全長約500メートルの堤防。渡してもらえる位置はポーアイ先端と真ん中の2箇所が選択可能。更に東の沖側に位置する全長約60メートルの小さな堤防がミニ波戸です。
私が選択したのはポーアイ真ん中。事前にSNSやブログ等で釣果情報を調べたところ、ポーアイ真ん中あたりでブリを持って写真を撮っている方が多くおられたからです。

受付完了人数が定員数に達したため、いざ船に乗り込み開始。

松村渡船様は、受付した順番に堤防に降りられるよう、列の後ろの人から順番に乗船し、船の奥へ乗り込みます。列の先頭にいた私は一番最後に乗船することで、一番最初に堤防へ降りられるように配慮してくださいます。

時刻は午前2時10分。20分前倒しで出船。惜しくも一番船に乗ることができなかった方々を横目に、一足早く沖堤防へ向かいます。乗船時間は約15分。この間、釣り人はいろんなことを考えます。私が考えていたのはポイント選び。ポーアイ真ん中に到着してから、先端側(左)へ行くか、付け根側(右)へ行くか、それとも真ん中あたりにするか… 何のルアーを投げるかは、前日までに決めて道具を準備してきているのですが、ポイント選びは最後まで悩みます… 船内は誰一人言葉を発すことなく、無言のまま波風を切って船は沖堤防へ向かいます。

一番始めに到着したのは私が選択したポーアイ真ん中。船長が船を着ける場所を確認するために、ライトで堤防を照らします。チラッと堤防を確認したとき、私は自分の目を疑いました。
一番船で来て、一番最初に堤防に降りるのは私のはずなのに、そこには既に多数の釣り人の影が… それぞれ4メートル間隔でずらりと並んでいます。

実は神戸沖堤防へ渡る渡船は、私がお世話になった松村渡船様の他に、神戸渡船様もあるのです。先にポイントを陣取っておられるのは、先に出船したと見られる神戸渡船のお客様。

ゆっくりと堤防に船が着き、船長の合図とともに各自荷物を持って堤防へ降りていきます。私は降りて左(先端側)へ行くつもりでしたが、既に入る隙間がなさそう… 仕方がなく右側(付け根側)へ行くことに。しかし、ライトを照らして見ただけでも、一番付け根付近まで歩いて行かないと入る隙間がなさそう… 右に歩き始めてすぐ、ぎりぎり1人入れそうな場所を発見! 瞬時に大きなクーラーボックスを置き、両サイドの釣り人に間に入っても良いか許可を得て間に入れていただきました。

狙い通りのポーアイ真ん中に釣り座を確保できたので一安心。釣り竿やタモを準備して少し横になります。
一日仕事をしてからの通しなので身体は疲れているはずですが、アドレナリンが出ているので寝られるはずもなく、一時間ほど横になって休憩します。
夜の沖堤防は真っ暗で静かです。聞こえるのは堤防に打ち寄せる波の音… 軽いロッド(釣り竿)をピシッとキャスト(投げる)する音… たまにロックフィッシュ(ガシラやアコウ等の根魚)が釣れているようで、遠くの方から笑い声が聞こえてきます。

時刻は4時。そろそろ動き始めます。
夜のレンズは『モアイブラウン』を使用。東の空がほんの少しだけ明るくなり始めるこのタイミングで一足早く『ラスターオレンジ』にかけ変える。これが私の作戦です。
一番魚の活性が上がる朝マズメ。真っ暗の状態から明るくなるのは一瞬です。明るくなり始めてからサングラスをかけ変えていては、3投ほど犠牲になってしまいます。ブリが自分の前を通るのも一瞬。その間にブリの前にルアーを通し、気づかせて口を使わせなくては釣れません。
※この作戦は、足場が良い堤防のため行っています。足場が悪いフィールドでは十分にご注意ください。

いよいよ釣り開始。まだ薄暗いうちにブリの回遊があると事前に情報を得ていたので、一投目から気合を入れてフルパワーでルアーを投げます。一番始めに投げたルアーはメタルバイブレーション。

※こちらの写真は明るくなってから撮影したものです。実際にはまだ暗い時間帯です。

アクションはただ巻きです。着水後、すぐに巻き始めて表層を早巻き。少しカウントしてルアーを沈ませて、中層をただ巻き。一旦ボトム(底)まで落としてから早巻きなど、短時間にいろいろ試します。

辺りが薄っすら明るくなり始めた4時20分頃。
6秒カウントしてから巻き始めたその瞬間!!

果たして念願のブリは釣れたのか… 次回へ続く!