釣り隊!

愛する娘のために…
ラスト一投まで諦めない執念!

みなさまこんにちは! TALEX釣り隊隊員の行本です。

私事ですが、今年で4才になる娘がいます。

「パパの釣ったお魚が食べたい!」

娘はスーパーで買った魚は食べず、私が釣った魚はいつもおいしそうに食べてくれます。

 

今回の釣行日は4月22日。娘のために食べられる魚を釣りに行くことにしました。

神戸沖堤防では連日シーバス(スズキ)が好調で、多い人では二桁釣果の方もおられるとか… 港内にはカタクチイワシが大量に入ってきており、青物(ブリやサワラ)も釣れる可能性が高いとのことで、ワクワクしながら早速電車で向かいました。

「えっ! 電車?!」と思われた方… 前回も説明しましたが、車がないため電車です。 ブリが釣れても持って帰れるように、大きなクーラーボックスを背負って神戸方面へ向かいます。終電(23時44分発)に乗車。

神戸沖堤防へ行くために渡船を利用します。いくつかの渡船屋さんがありますが、今回はJR西灘駅から南へ徒歩約10分の場所にある、松村渡船様にお世話になりました。

渡船場に到着したのは午前1時。出船時刻は早朝3時30分。ここから約2時間半仮眠します。

出船時刻が近づくにつれて、徐々に利用客が集まりはじめます。気がつくとズラッと行列が出来ていました。その数約40名。もちろん私が先頭です(笑)

受付の際に行きたい堤防を指定するのですが、この選択によってその日の運命が変わります。第3防波堤~第8防波堤、そしてポートアイランド沖とミニ波戸。各防波堤の更にどの位置で降りるかも選択でき、全部で14通りの選択肢があります。

季節や何を釣りたいかによっても変わるのですが、この日の船長のアドバイスでは、シーバスのみを狙うなら6防。青物のみならポーアイ沖。シーバスも青物も欲張りコースなら7防とのこと。迎えの時間は10時、12時、15時から選択でき、欲張りな私は7防12時迎えを選びました。

全員受付が完了し、予定通り3時30分に出港。今から何が起こるかわからない。もしかしたら大物が釣れるかも… クーラーボックスに入り切らないほど爆釣するかも… 大きな期待を胸に、各堤防へ降りていきます。

一番人気は6防。昨日シーバスが爆釣したということもあり、半数以上が降りたと思います。内心「これだけ人が多かったら逆にプレッシャーが高くて釣れないだろうな…」と、6防を選ばずに良かったと思いました(笑)

 

7防で降りたのは私を含めて約10名。残りの約10名はポーアイ沖へ。

やっと堤防へ到着しましたが、まだ釣りはできません。

7防は六甲アイランド沖に位置し、東西に渡り全長4,7キロという長大な堤防です。

私が降りたのは西側の赤灯台。徒歩で自分がここだと思うポイントへ移動します。実は私、車を持っていないくせに、歩くのが大嫌いなのです。陸ではちょっとコンビニに行くときも自転車に乗ります。

船長が去り際にマイクを使い、「できるだけ東側へ歩いて行った人の方が良い釣果を出していますよ! がんばってください!」とワンポイントアドバイスをくれました。それを聞き、重たい道具を背負い皆一斉に歩き出しました。

ところどころで一人、また一人と釣座につきます。私は400メートルほど歩いたポイントにする。決め手は、この時期シーバスが釣れるのは沖に向かってキャスト(投げる)のではなく、堤防沿いにキャストして足元で釣る! と船長から事前に情報を聞いていたからです。両隣に人がいない位置を選んで、横投げに挑戦です。

 

準備をしていよいよ釣り開始。時刻は4時半。

まずは、定番のバイブレーションジグヘッドを堤防際に投げてシーバスを狙います。

アタリはなく、東の空が徐々に明るくなり始めた5時過ぎ、鳥の鳴き声とともに海面がざわつき始めました。カタクチイワシの回遊です。

くるならそろそろだな… と思ったその時!

「ゴッ ゴゴゴッ!」

シーバスのアタリです!

久々の釣りで感覚が鈍っており、焦ってフッキングが早過ぎてノリませんでした(針が口にかからない)。

気を取り直してスピンテールジグやメタルバイブレーションなど、ルアーとタナ(深さ)を変えながら何度もキャストを繰り返しますがその後反応はなく、すっかり夜が明けて明るくなりました。

大量にいたカタクチイワシも見当たらなくなり、穏やかな海。

 

時刻は午前8時30分。

12時の便で帰る予定でしたが、何も釣れずに流石に疲れてきたので10時便で帰ろうか迷いながら、ちょっと横になりました。

静かな波の音… 鳥の声や船の汽笛… いろんなことを忘れられます。

気持ちよくてうとうとしているうちに眠りました。

ゴロゴロゴロという、クーラーボックスを引っ張る音で目が覚めました。うつらうつら時計を見ると9時50分。10時便で帰ることを諦めました。

今日はダメな日なのか、ほとんどの人が10時便で帰ってしまいました。

寝ぼけているのですぐに釣りを開始するのは危険です。意識がしっかりするまで、座って休憩し、いざ後半戦!

変わらず穏やかな海。手を変え品を変え何度もキャストを繰り返しますが何も起こらず。

さすがに心が折れ始めたので、最低限必要な釣具以外は片付けて、船が迎えに来る赤灯台へ戻ることに。

 

赤灯台へ到着したのは11時30分。

道具を置き、竿も持たずに周りの様子を確認します。

すると、ちょうど潮が動き始めたのか、灯台横の潮はヨレていて、潮目も近づいている状況。足元にはベイト(小魚)が群れています。

 

ここで少しサングラスの話ですが、偏光レンズを使えば、こういった状況が瞬時に分かります。魚が釣れると信じて投げ続けることができる。まさに、一度折れた心を取り戻すことができます(笑)

ちなみに、このとき使用していたのは、メガネの上からかけることができるTALEX製『オーバーグラス』。レンズカラーは自然のままに見えるトゥルービューのシルバーミラーです。

タイムリミットまであと30分。すぐにロッドを持ち、潮目に向かってメタルジグを投げます。

一旦ボトム(底)まで落とし、ワンピッチ(一回竿をあおって、リールのハンドル一巻きを繰り返す)でシャクリます。10回シャクってボトムへ落とす。これを繰り返しましたが、5投ほど投げて、やっぱり駄目。

その時思い浮かんだのが、魚を釣らずに家に帰ったときの娘の顔でした。父親として、そして一人のアングラーとして、諦めるわけにはいかない!最後まで全力でがんばろう。そう思いました。

ルアーが手前まで来たので、早巻きで回収しようとした瞬間、

「ッンゴンッ!」

ロッドがぶち曲がり、海に引きずりこまれそうになります!

「よっしゃ、きた!」

でっかいシーバスか? シーバスにしては重いし引きが強過ぎる… 根に潜られないように強引にやり取りをします。

上がってきたのは70センチのメジロ!(地域によりますが、この辺では39センチまではツバス。40センチ~59センチはハマチ。60~79センチまではメジロ。80センチ以上がブリと呼ぶそうです)。

 

ファイトは完全に勝利し、メジロは観念した様子。問題はここからです。

タモは片付けて手の届く範囲になく、強引に抜き上げようにも重すぎて無理。足元の魚を取り込むことが出来ないまま15分ほど困っていると、遠くから一人こちらに向かって歩いて来る人が…

そうです! 12時便で帰る人です!

近寄ってくると、私が声をかける前に、

「釣れましたか~?」

と声をかけてくださいました!

「今釣れているんですけど、タモまで手が届かなくて困っていたんです!」

すると、急いでご自分のタモで私の釣った魚をすくい上げてくれました!

二人で大笑いし、自分のことのように一緒に喜んでくださいました! ありがとうございます!

迎えの船が来るので急いで写真を撮り、その場で血抜きをして内蔵を出しているところに、12時便で帰られる2名の釣り人が歩いて来られました。

「兄ちゃんええのん釣ったやん! 俺のクーラー魚おらんから、この氷あげるわ! その方が氷も喜ぶわ(笑)」と、氷を分けてくださいました! ありがとうございます!

釣り人に悪い人はいない! 心の底からそう思いました。感謝いたします!

12時の便に乗り、7防を後にしました。

9時間ぶりに陸地に上がり、船長が写真を撮ってくれました。ありがとうございます!

これで終わりではありません。

ここから電車に乗って家に帰ります。

帰宅したのは14時30分。

玄関を開けると娘が走ってきました。

「パパ~! お魚釣れた? 見せて~!」

自慢げにクーラーボックスを開けて3時間前に釣ったメジロを取り出すと、あまりの大きさに娘は固まってしまいました(笑)

後日メジロを捌いて、刺し身としゃぶしゃぶ、アラ汁とカマの塩焼きにしました。

娘は「やっぱりパパが釣ったお魚おいしいわ!」と言って喜んでくれて、釣りの疲れが吹っ飛びました。

子供のために魚を釣る! 子供のために仕事をがんばる!

何事も最後まで諦めないで良いイメージを持つことが大切だと再認識しました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。